いい動画を配信することはおいしい料理を提供することと同じ?

動画は料理と同じ

料理は調理することだけじゃない

YoutubeやTictokなどで流れる動画を見ていると、撮影した素材を基に、編集を加えた完成動画を目にしているので、その制作プロセスが見えずに、容易にそして簡便に動画制作できるって思われているクライアントに出会うことがあります。

でも、素材を用意する、編集を加えるというのは、実はその一端でしかなく、多くの視聴者に支持される動画ができるまでには、相応のプロセスを要します。

なかなかイメージがつかないかもしれませんが、「料理」に例えるとわかりやすくなりますよ

素材と料理人だけでは不十分

料理プロセス全体像

つい動画という果実を見てしまうと、素材の良さや編集者の能力のみに目が行ってしまうもの。

料理で考えてみると素材はまさしく料理のもととなる食材や調味料といった素材そのもの、編集者は、料理人といえますよね。
確かに、おいしい料理に欠かせない要素とは思いますが、だからってそれだけでは十分ではないですよね。

動画活用(制作)プロセスと料理のプロセスを重ね合わせて、プロセスの理解を進めましょう。

料理を作るプロセスと動画制作って?

【Step1】誰のために何を作るか考える =戦略立案

料理でいうと、誰のためにどのような料理を作るか考えるフェーズ
どのような人に、何を食べてもらって、どう感じてほしい(喜んでもらいたい)ですか?

料理で、一番最初に考えるのは、食べてくれる人がどういう人でどういう好みを持っているのかを考えますよね。そして好みや苦手なものを考慮して、何を作るのか。

中でも本当に大切なことは、「誰に」=「ターゲット設定」です。
動画でも同じく、このターゲット設定を徹底的に行わないと、満足してもらえることはありません。

【Step2】どうやって作るかを考える =企画立案

料理でいうと、提供する料理をどのように実現できるか考えるフェーズ
どんなレシピでどんな食材や調味料を使いますか?

誰に何を提供するか決めたらば、続いてその料理を作るために必要な食材や調味料を調べたりしますよね。そして、その食材を使ってどうやって作れるのか、すなわちレシピも大切です。。

適切なレシピがないと、実際に作り出す時も感覚に頼った独りよがりの料理になってしまうことが多いものです。特に、調味料やスパイスは使いすぎても使わな過ぎてもダメ。料理の完成度を左右しますよね。動画でいうところの、演出や3Dグラフィック、BGMなどの加工も過剰になるとむしろ興ざめしてしまいますよ。

【Step3】食材を調達して最適な下ごしらえ=撮影

料理でいうと、食材を調達してレシピに従って、料理の下ごしらえするフェーズ
どういう食材をどこで調達する?食材はどうカットして下味をつける?

食材の調達と下ごしらえ

素材を生かしているやっぱりおいしい料理の肝でもありますよね。
どういう産地の食材をどこで仕入れて、どういう形にカットするのか。
そして、その食材の良さを最大限にいかすために、調味料やスパイスを使って、どう下味をつけて準備するのか。

動画も同じで、ちゃんとした料理に適した素材を準備することは欠かせません。
求める素材がそろわないと料理だって完成しませんよね。
こういうことを伝えたかったのに素材がなかったなんてことにならないように注意が必要。
もちろん、産地ともいえる、安心して高品質の撮影技術が求められることは言うまでもありません。
さらに、調味料やスパイスとなるような演出もどういうものを使うのかを検討しましょう。

【Step4】食材を最高の料理へと導く調理=編集

料理でいうと、食材の良さを引き出しながら、適量の調味料を使って調理をするフェーズ
茹で加減、焼き加減は?味を引き立てる塩加減やスパイスは?

調味料を踏まえて最適な調理

料理人の腕が一番問われる調理技術。
火の入れ加減や調味料の分量はもちろん、その判断の適切なタイミングが問われます。
手際の良さも評価されますよね。

動画の場合、受け取った素材を基に編集作業を行うわけですが、適切な調理ともいえるカットがされないと無駄に長い動画で冗長的であったり、逆に短すぎて意味が伝わらない動画になってしまいます。
テロップを初めてグラフィックやBGM、音響を適材適所で入れることで人を惹きつける要素になります。まさしく、料理を左右する塩加減は、編集が握っているというものです。

【Step5】調理の最後仕上げは盛り付け=配信

料理でいうと、調理の最後の仕上げとなる盛り付けと配膳をしてテーブルに提供するフェーズ
おいしそうに見える盛り付けは?最適なタイミングで提供できている?

調理の最終仕上げとなる盛り付けと配膳

最後まで気を抜けないのが盛り付けや配膳。
いくらおいしい料理ができても、盛り付けが汚いと残念な気持ちになりますよね。
また、フルコース料理なのに、いきなりメインディッシュを出されても困りますよね。
適切なタイミングで提供されるからこそ料理を全体として味わえるわけ。

動画でも、適切な見栄えともいえるサムネイルがうまく設定されていなかったり、タグが設定されていないと、せっかくの素晴らしい動画も視聴者に届けることさえできません。
また、ターゲットの求めているタイミングに合わせた配信を行わないと視聴してもらうタイミングを逃すことだってあります。

【Step6】相手の求めるサービスを提供する=運用

料理でいうと、相手の反応を見て、必要に応じてサービスを提供するフェーズ
おかわりはいらない?味付けは好みにあっている?デザートは?

サービスを提供する

料理を提供しても終わりじゃないですよね。
食事をされている方の気に入る味付けだったか、提供した量は十分だったか。さらには、飲み物は足りているか。そのタイミングに応じたサービスは料理に対する満足度を左右する要素です。

動画でも同じく、視聴者からの反応に対して適切な対応をとることが大切。質問に対しての回答、要望に対しての回答など視聴者の求めるコミュニケーションに適宜対応することで信頼を獲得することができ、結果、動画に対する高評価につながります。

【Step7】相手の感想を受け止める=解析

料理でいうと、相手の感想を聞いて、どこが好評でどう改善が必要かを分析するフェーズ
次回の料理で、好評なことは再現し、改善点はどう活かす?

お客様の声を聞き取る

料理を作る立場からすると、「おいしい」っていう言葉が聞けないと悲しい想いをして、中にはもう二度と作らないって投げやりになる方もいるのでは?でも、それだと料理の上が上がることはありませんよね。ちゃんと、食事を口にされた方の実直な感想を受け止めて、よかった点は再現を、悪かった点は改善を行うことで、その料理の完成度が高まっていきます。

動画でも同じように、視聴者の声に向き合うことでよりよい動画作成が可能になります。一人一人のコメントも大切ですし、いいねやまだまだというアイコンコミュニケーションも同様。何より、視聴者自身では気づいていない、視聴動向データを基にインサイトを抽出することが動画成功のカギともいえます。

【Step8】もっとおいしい料理を作る=修正

料理でいうと、よかった点を再現し、悪かった点を改善してもっとおいしい料理を作るフェーズ
料理を口にされる方にもっと満足してもらうためには?

お客様の声を聞き取る

すでに提供してしまった料理を作り直すことは難しいかもしれません。でも、ちょっとした調味料を加えたりして改善することはできますよね。一方で、より大切なことは、その場で提供した料理を改善するのではなく、次回提供する料理をよりよいものにすること。そのためにも、食べてくれた方の感想を踏まえて、次回の料理にのぞむ必要があるわけです。

動画の場合は、ちょっとりょりとは異なって、視聴者からの表立って出てきた反応や反響だけではなく、データから得られたインサイトを基に、投稿した動画を修正することが可能です。一方で、五回の動画に活かすこともできますし、すでに投稿済みの動画も改良することができます。
料理でも、動画でも「相手の声」を素直に聞いて、対応を重ねる作業が欠かせません。